歴史寸劇を佐賀城で上演し続けて、いつの間にか13年目を迎えている。すべての回に出演しているわけではないが、毎週日曜日には八賢人のうち三賢人が必ず登場し、物語が紡がれていく。ありがたいことに、県内外のイベントの出演にも声をかけてもらうことが多くなった。
けれど、その「当たり前」がどれほど特別なことなのかを、ふとした瞬間に思い知らされる。演劇という表現を通して、目の前で喜んでくれる人がいる。その一つひとつの光景が、自分にとっては何よりの原動力だ。
この機会があることに、ただただ感謝している。
「続けることは大変だろう」と言われることもあるけれど、自分ではあまりそう思ったことがない。ただ、自分の中にずっとあるのは、もっとできることがあるんじゃないかという静かな渇きだ。もっと面白く、もっと深く。仲間たちとだからこそ挑戦できる新しい何かが、まだこの先に眠っている気がしてならない。
いずれにしても、今、この瞬間にしかできないことをやっている。その積み重ねが、いつしか誰かの記憶になり、自分たちの誇りになるのだろう。
特別なことを、特別だと思わずにやり続ける。
それが、今の自分にできるいちばんの恩返しだ。