毎年、決まったように、あるタイミングで手に違和感がやってくる。まるで合図のように、腱鞘炎のような症状がひょっこり顔を出す。思い返せば、たいていはパソコンに向かって文字を打ち続けたあと。自分でも原因は分かっている。
整形外科に行けば、「母指CM関節症ですね」と診断されるかもしれない。でも今は、まずはサポーターを手に入れて様子を見よう。経験上、慌てなくても大丈夫なことも知っている。たいていの場合、湿布でも貼って、気づけば痛みは消えている。まるで風が通りすぎるように、知らぬ間に去っている。
本当は、無理をしないのが一番いいのだ。余裕のないスケジュールの中で「あと少しだけ」と自分に鞭を打ってしまうから、体が静かにブレーキをかけてくる。でも、それも大切なサインだと思うようになった。
「少し休もう」
「深呼吸しよう」
「大事なのは、走り続けることじゃなく、歩きながらでも前に進むこと」
そう思えたら、痛みもただの敵じゃなくなる。むしろ、身体が「がんばってるね」と語りかけてくれているようにも感じる。だからこそ、少しだけペースを落として、丁寧に過ごそう…と心がけるしかない。
きっとまたすぐに、何事もなかったかのように、手は軽やかに動き出す。だから大丈夫。
さて、明日は佐賀城での本番だ。
