歴史寸劇、そして投票へ

世の中は夏休みまっただなか。夏らしく空は晴れわたり、心なしか人々の顔もやわらかい。そんな連休の中日、佐賀城本丸歴史館での歴史寸劇公演には、県内外から多くのお客様が足を運んでくださった。

汗ばむ陽気のなか、ふと立ち寄った方もいれば、我々の公演を目的にまっすぐ向かってきてくださった方もいる。ほんのひととき、江戸から明治への時代の狭間を生きた人々の考え方に耳を傾け、扇子片手に笑ったり、うなずいたりしてくださる姿に、演者として感謝の念が尽きない。

そして今日は、選挙当日でもあった。

佐賀城での出演を終えた後は、急いで投票所へと向かった。

舞台で演じたあの時代にも、人々は声を上げ、立ち上がり、時には命を懸けて「まっとうな世」を目指していた。現代の我々には、その「声」を安全に、そして確実に届ける方法がある。それが投票という行為だ。

最近、政治への不信や諦めの声があまりに多く聞こえる。けれど同時に、静かだったはずの場所からも、確かな声が上がり始めているように感じる。街角で、SNSなどで。かすかな変化かもしれないが、それは確かに、誰かの「これではいけない」という意志の現れだ。

信念は人それぞれだ。すべてに共感はできなくても、「考える」こと、「選ぶ」こと、「行動する」ことは、きっと未来に向かう歩みになる。

今日も歴史寸劇を演じて、そして現代の選択に立ち会えた私は、そんな時の重なりを、不思議と心強く思っている。

かつての志士たちが問いかける。「今の世をどうするつもりか」と。
私たちはその問いに、小さくても確かな一票で、答えていくしかないのだ。

Previous PostNext Post

Related Posts