ダブルヘッダー

今日はまさにダブルヘッダーの一日だった。

早朝、佐賀城へ向かった。
それにしても、もう10月だというのに残暑がしぶとく居座っていて、
ツクツクボウシの声まで聞こえてきたのには驚いた。
汗ばむほどの陽気の中、観光シーズンらしく、
国内外から多くの人々が訪れていた。
おそらく日本語がわからない方もいたのだろう。
それでも最後まで寸劇を見つめてくださる姿に、心から感謝した。

夜はそのまま「ハリマオ」の稽古へ。
いよいよ本番が近づき、稽古場には熱気がこもる。
まだ課題もあるが、一つひとつの動きやセリフに魂を込めて、
自信を持って舞台に立てるよう仕上げていくしかない。

気づけば、身体はすっかりクタクタだ。
それでも月曜日はやってくる。
いよいよ佳境の一週間。
この疲労の先に、きっと光が見えるはずだ。

舞台「シン・ハリマオ」は、10月11日(土)と12日(日)の両日14時から、さざんぴあ博多の多目的ホールで上演される。会場は西鉄雑餉隈駅から徒歩2分、JR南福岡駅からも徒歩圏内というアクセスの良さを誇り、客席から舞台が間近に感じられる親密な空間である。

この舞台で描かれるのは、マレー半島を舞台に「義賊」として語り継がれた男、谷豊――後に“ハリマオ”と呼ばれた人物の人生である。1911年、福岡の理髪店の家に生まれた谷豊は、幼くして家族とともにマレーへ渡り、やがて妹の悲劇をきっかけに義賊としての道を歩み出す。弱き人々を救い、権力に立ち向かうその姿は民衆に希望を与えたが、時代は彼に苛酷な運命を強いた。

やがて日本軍の諜報機関に協力し、植民地支配や民族の対立の渦中で翻弄される彼の人生は、信念と裏切り、忠義と悲哀の狭間で揺れ動いていく。30代という若さでマラリアや栄養失調に命を奪われた後、人々は彼を「大東亜の英雄」と呼び、その名を伝説として語り継いだ。

観客の皆さまには、この二日間だけ体験できる特別な物語を、どうか一緒に見届けていただきたい。10月11日と12日、午後2時、さざんぴあ博多にて、皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

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