動物というのは、なんて誠実な生き物なのだろう。
彼らは言葉を持たないけれど、嘘も持たない。
生きるために食べ、守るために吠え、眠るときは全身で安心を求める。
その姿はいつもまっすぐで、無駄がなくて、どこか美しい。
人間のように理由を探したり、損得で動いたりしない。
ただ生きることそのものを、大切にしているように見える。
そんな姿を見ていると、ふと心が静かになることがある。
動物の中でも、犬という存在には、特別なやさしさを感じる。
人間のそばに居場所を見つけてくれている。
そして、人間の生活に合わせてくれている。
お手もお座りも、人が喜ぶからしてくれる。
牙を持ちながらも、噛むことよりも舐めることを選んでいる。
昔、私も犬と暮らしていたことがある。
家に帰ると、あの子が尻尾を振って待っていて、
ただそれだけで一日の疲れがほどけた。
怒った日も、悲しかった日も、
あの子は変わらず私の隣にいてくれた。
今はもう、犬を飼っていない。
それでも、ときどき思い出す。
犬は、人間の最良の友と言われる。
人間は犬に度々救われてきたのだと思う。
そういえば、久しく動物のぬくもり、そしてそのやさしさに触れていないな。
なんかずっと忙しさの中にいて、日常のふと落ち着いた瞬間というものを味わってない気がする。
動物を飼うなんてことは大変だけど、たまにそのやさしさがあると癒されるのだろう。きっと。
