無事に大きな事故もなく、福岡公演の幕が静かに降りた。
半年あまりにわたる稽古の積み重ねが、この日の舞台にすべて注がれていた。
それぞれの想いが交差し、ひとつの物語として結晶した時間だった。
お芝居は、生きている。
同じ脚本を使っていても、同じ舞台など一度としてない。
その瞬間にしか生まれない感情があり、演者同士が響き合い、思いがけない輝きを放つ。
その生のやり取りこそ、演劇の魔法なのだと思う。
終演後は素早く撤収を終え、打ち上げで笑い合い、ようやくひと息つけた。
終わりはいつだって訪れる。
けれど、その「終わり」があるからこそ、今という瞬間がいっそう愛おしく思える。
この仲間たちと過ごした時間は、二度と同じ形では訪れない。
一度きりの舞台に立ち会えた奇跡に、心から感謝している。
儚くも確かに存在したその時間の余韻を胸に、今夜は静かに、安堵とともに身体を休めたい。
しかし、芸術の秋だな。色んな場所でそれぞれがイベントをやっている。
