今、自分がいるありがたさを感じることじゃ

今日、上演した歴史寸劇の一つ「故郷ば錦で」のセリフには、宝言葉がいっぱいつまっている。

ご存知の方はおわかりだろうが、私が演じる大隈重信は史実的に八賢人の中では一番若い、つまり末っ子だ。先生や諸先輩らを相手に言葉を発することが多いのだが、「故郷ば錦で」だけはちょっと違う。大隈らより次の世代へのメッセージを語っているのだ。

これは個人的には今、自分がやっていることと被るところがあるため、尚更、心に響くのかもしれない。

思えば、11年前に自分はアメリカ生活14年に終止符を打ち、故郷に戻ってきた。錦を着て帰るなんてほどの、ものすごく大きな成功をおさめてきたわけではない。自分がやってきたことや得たものを見せびらかすようなことをしようとも全く思ったことはないが、やはりこの演目にでてくるように、ただ故郷を錦でいっぱいにするために、何ができるかを考えながら、これまで活動をやってきた。演劇という私がアメリカで培ってきたツールを活用して。毎週演劇がある町にしたかった。佐賀を題材にしたものがやりたかった。今日の演目にでてきた田澤義鋪が図書館を作りたいと思ったように、みんなで楽しめる財産のような演劇を作りたかった。

それが少しでも今、実現できているのが、幕末・維新佐賀の八賢人おもてなし隊だと思っている。八周年を迎えた本日、あの空間で、演者、お客様、スタッフ、関係者各位、そしてLiveS Beyondの企画として採用いただいたおかげもあり、画面の向こう側にいる皆様とも、一帯になれたように感じた。

まさに、演劇の力を感じた。

八周年という記念すべき瞬間を共にした皆様と、人生を織りなすことができていることに改めて感謝したい。

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