私がアラスカ大学を卒業した後に１年間のプログラムで通ったのは、アメリカのカリフォルニア州の小さな町であるBlue LakeにあるDell’arte International School of Physical Theatre （デルラテ身体演劇専門学校）という演劇の専門学校であった。ここで学んだことはかなり大きく、後の私の演劇活動に影響をもたらす濃密な時間であった。なにせ小さな田舎町に、全国・世界から集まってきた学生らと、演劇しかやらない１年間を過ごすわけだ。
実は、最近、そこで長年に渡り指導をされていた女性の先生の訃報が届いた。Joan Schirleという偉大な先生であった。マスクを使ったパフォーマンスなどには特に定評があった。指導者として単に役者というわけでなく、actor-creatorとして創作していくアーティストを育てた人だ。自分もその端くれということになる。
改めて検索してみたら、10年前ぐらいのこんな動画が出てきた。先生が伝えている言葉には深い重みがある。また指導を受けに行きたい、特にバリ島で開催されていたマスクのプログラムにいつかは参加したいと思っていたが、今になっては叶わぬ夢となってしまった。
このコロナ禍というのもあったが、やりたいことがあれば、やれる時にやっておかないと叶わないことになってしまうこともある。お金が少々かかるなんてことは、後からまた働いて取り返せばいい。時間がないなんてのも言い訳にすぎない。「時は今」と思って生きようと、先生が亡くなったことで改めて感じた。
先生、しばらくお会いできていませんでしたが、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
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