焼けつくような暑さが続く日々。太陽は地上を焼きつけ、まるで命を試すかのようだ。今日もまた、灼熱の炎天下を歩いていると、思わぬ光景に遭遇した。路地を通り抜けていたとき、少し離れた先に人影が横たわっているのを見つけたのだ。近づくと、それは高齢の男性だった。彼は力尽きたかのように倒れていた。
急いで駆け寄り、声をかけた。転倒したらしい。私は彼の腕を取ってゆっくりと立ち上がるのを手助けしたが、足元はまだふらついていた。ちょっと用事があり急いでいるけれど、この場をすぐに立ち去ることができないこともあり様子を伺っていた。
しばらくすると、近くの建物からスタッフの人が駆けつけ、彼を丁寧にサポートしてくれた。その光景を見て、私はようやく安心し、その場を後にした。しかし、この猛暑の中で、もし誰にも気づかれずに倒れていたら…そう考えると胸が締め付けられるような思いがした。無事であったことに、心から安堵した。
やがて、夕日が西の空に沈み始めると、日中の厳しい暑さも少しずつ和らいでいく。立秋を迎えた暦通り、夜空は徐々に高くなり、秋の訪れを感じさせる巻雲が広がっている。山からは、ひぐらしの静かな鳴き声が聞こえ始め、間もなくコオロギの奏でる音色も聞こえてくるだろう。残暑の中、秋の気配を探し求める楽しみが、心に新たな希望を灯してくれる。