運気というものを考えると、どうしても良い時と悪い時が交互に訪れるように思える。うまくいかない時が続くと、「運が悪い」と感じてしまうのは無理もないことだ。けれども、本当にそうだろうか。少し視点を変えてみると、実は身の周りには「いいこと」がたくさん起きている。

セネカの言葉に「幸運は準備された心にのみ訪れる(Luck is what happens when preparation meets opportunity)」というものがある。運が良いか悪いかは、実際にはその出来事をどう捉えるかによって変わってくる。例えば、失敗した出来事や思わぬアクシデントが、後になって「これがあったおかげで成長できた」と思えることもある。運気の波に身を任せるのではなく、その中で小さな光を探す目を持つことが重要だ。

また、日常生活では、「悪いこと」には敏感だが「いいこと」には気づきにくいことが多い。何気なく過ごしている時間の中にも、例えば温かい飲み物を飲んでホッとした瞬間や、笑顔で会話を交わしたひとときなど、見逃しがちな幸せがたくさんある。それを意識的に見つけていくことで、運気を相対的に捉える力が身につく。

結局のところ、運気というのは外的なものではなく、自分の心の持ちようが大きく影響しているのだと思う。前向きな姿勢でいる人の周りには、自然とチャンスや良い出来事が集まってくる。それはまるで、明るい場所に人が集まるのと同じようなものだ。だからこそ、自分の中に小さな「いいこと」を見つける習慣を持つことが、運気を味方につける鍵になるのだろう。

ことわざに「運は天にあり、鎧は胸にあり」という言葉がある。運の良し悪しを嘆くのではなく、自分の心を強くし、目の前にある良い出来事に気づけるようになること。それが、運気に振り回されずに生きる秘訣なのかもしれない。

今日もいい日だった。

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