今日は少し穏やかな時間が流れる。大きな舞台やイベントの予定は一息ついたものの、来週の日曜日からは3週連続で佐賀城本丸歴史館での出演が控えている。本番ラッシュが途切れることはない。それでも、こうして毎月必ず舞台に立ち続けられるのは、なんと幸せなことだろう。演じる場所があり、伝えるべき物語がある。それは、決して当たり前のことではない。
思えば、18歳の頃、お芝居に魅せられて以来、私はずっと舞台に立ち続けてきた。お客様の前に立ち、言葉を紡ぎ、何かを伝える。舞台の上で生きることが、自分にとって唯一の「できること」だったのかもしれない。そして今もなお、そうあり続けることに感謝している。
舞台に立つだけが、僕の役割ではなくなった。現在は指導者として、表現の楽しさを伝えることにも力を注いでいる。ワークショップを開き、講座を行い、定期的に指導をする場もある。特に子どもたちや若者たちに、「表現することは自由で楽しい」ということを感じてもらいたい。
自分らしくいること。自分のアイデアを大切にすること。「これでいいんだ」と思えること。
そんなふうに、自分を肯定できるきっかけを、僕が与えられたらいい。
表現は、人を縛るものじゃない。解き放つものだ。
それを伝えるのが、今の僕の舞台でもあるのだ。