こんなふうに夜を走る

何かと追い込まれていると、心が痩せていくのが分かる。余裕がなくなると、まるで風が吹いても傾いてしまう木のように、ぐらぐらと感情が揺れてしまう。
今夜もまた、遅い時間になってしまい、つい言葉がきつくなった。

帰りの車の中で、月明かりがフロントガラスににじむ。眠気と疲れの間に身を置きながら、ぼんやりと道をたどっていると、心がだんだんと静かになってくるのが分かる。

この一週間は毎日12時間だった。ふと気づけば週が終わり、気力も体力も底をついていたが、あれこれと思い返し、後悔したり、少し笑ったりしながらの夜のドライブは、1時間以上もあったはずなのに、ほんの一瞬の出来事のようだった。

昔から、自分には少し短気なところがあると分かっていた。きっと誰にもあるのだろう。でも、そのタイミングで誰かとぶつかれば、「嫌な人」に見えてしまうのがつらいところだ。優しくいようと決めていても、心が追いつめられると、どこかにそれを置き忘れてしまう。

こんなふうに夜を走りながら、自分と向き合う時間があるのも、悪くない。
少しだけ反省して、少しだけ自分を許して、明日はもう少し、優しくなれたらいい。

「色々あるけど、また一歩だけ、進んでみようか」

そう小さくつぶやいた声は、静かに夜の中に消えていった。

さて、慌ただしい新年度を迎え、今年の4月からもまた、歴史寸劇を佐賀城本丸歴史館で開催している。今度の日曜日は、わたくし演じる大隈重信が、佐賀城でお待ちしております。

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