本日も佐賀城本丸歴史館での歴史寸劇公演だった。全国各地から訪れる皆さまとの出会いは、まさに一期一会。その一瞬一瞬に立ち会えることが、何よりの喜びだ。日々繰り返す中で、同じ脚本であっても芝居は生き物だ。1日5回の公演。演じるたびに呼吸が変わり、間が変わり、表情も言葉も少しずつ違っていく。お客様の反応が違えば、こちらの芝居も自然と変わっていく。舞台の上で交わす空気もまた、その場限りの贈り物だ。
思えばこの活動を始めてから、もう丸12年が経つ。年齢とともに、体力的には正直しんどく感じる日もある。それでも続けてこられたのは、一緒に舞台を支えてくれる仲間たち、そして足を運んでくださるお客様のおかげだ。
芝居が終わった後、お客様がふと漏らす「面白かった」「また来たい」という一言が、何よりの励みになる。観光でふらりと立ち寄った方が、歴史に興味を持ってくれたり、子どもたちが目を輝かせて舞台を見つめてくれる瞬間。そのたびに、「続けてきてよかった」と心の底から思う。
これが当たり前だとは思わない。一つひとつのご縁に支えられて、今日まで歩んでこられた。ありがたいことだ。そしてこれからも、まだまだ続けていきたい。芝居を通して佐賀の歴史を伝え、誰かの心にほんの少しでも何かが残れば、それが私たちにとっての喜びであり、使命だと思っている。
さあ、また舞台に立とう。新しい出会いを楽しみにしながら。