外は猛暑

九州の夏は、容赦がない。
気温というより、まとわりつくような湿度が、じわじわと体の芯から力を奪っていく。
朝の空気にすでに熱がこもり、昼にはまるで時間が溶けてしまったかのように思考がぼんやりする。
あとどれくらい、この重たい季節が続くのだろうか。
かつては八月の終わりに、ひとつの区切りがあったはずなのに、近年は九月もなお、夏の背中を引きずっている。

そんな空気の中で、私は毎日、言葉を生み出し、発信することを続けている。
文章を書き、人に話し、何かを伝えようとしている。
それは、ある種の熱を内側に灯し続ける作業でもある。
ただ、その熱がどれほど届いているのかは、いつも確かではない。
誰かに刺さった手応えを感じる日もあれば、何も返ってこない日もある。
水面に石を投げて、その波紋がどこまで広がっているかが見えないように。

けれどそれでも、私は言葉を置いていく。
この暑さの中で、身体のエネルギーは減っていくけれど、
それでもなお、内側から湧いてくるものがある限り、
静かに、丁寧に、届ける努力をやめたくはない。

外は猛暑。
けれど、内なる熱は、違う意味を持つ炎でありたい。
誰かの中に、小さな灯がともることを信じて、今日も私は言葉を紡ぐ。

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