気がつけば6月の終わりだった。いつの間にか梅雨は明けて、陽射しが力強さを取り戻すころ、私は胸の奥にひとつのざわめきを感じている。
——何かが動き出す。
そんな予感がしてならないのだ。
7月がやってくる。
一年の折り返し地点。
けれど、今年の7月は、ただの通過点ではない気がしている。
むしろ、ここから何かが始まる。そう感じるのだ。
日々の小さな変化、人との出会い、目に飛び込んでくる言葉の数々が、まるでパズルのピースのように、ゆっくりと何かの形をつくりはじめている。
過去の延長ではなく、これまでとは違う風景が見えてくる気がする。
それはきっと、望んでいた変化でもあり、ちょっと怖い変化でもある。
でも、怖さの奥にはいつだって希望がある。
変化の入り口には、まだ見ぬ自分の可能性が待っている。
7月。
その響きに、私は静かに背筋を伸ばす。
準備は整っていないかもしれない。
それでも、足を踏み出すには、きっと今が一番いい。
さあ、ここからだ。
この予感の正体を確かめに行こう。