レトリックの力

みなさん、

こんばんは。今朝方からかなりのひどい雨でしたね。夜中に何度か目が覚めました。水害などが心配でしたが、朝には弱まっていました。

今日も1日中、研究室でパソコンの前にいました。5月はこんな日が続きそうです。6月になれば対面が始まり、もうちょっとエネルギーが出てくると思います。

こういう時期だからこそリーダーの言葉が大事なように思います。それによって人々が励まされたりするわけです。しかしながら、日本のリーダーによる歴史に残るような演説というものを私はあまり聞いたことがありません。アメリカでは歴代の大統領のスピーチが残っていて、語り継がれるものです。つい先日も、オバマ前大統領が、卒業式におけるオンラインスピーチがYouTubeで流れていました。言葉に魂を感じ心が動かされました。

 

印象に残った部分は色々とあるのですが、「Nobody can tell you anymore “this is how it’s always been done.” More than ever, this is your moment — your generation’s world to shape.(従来の方法を強いる人はいないでしょう。これまで以上に今はみなさんの時代であり、みなさんの世代がこれからの世界を形作っていくのです。)」が私には特に響きました。これから先が不透明な世の中に向けて、自分たちで作っていくしかないというメッセージには期待が込めれていて、応援してくれることを、聞いていた人たちは感じたはずです。

日本語の全文の解説がこのサイトで書かれているようですね。https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a32571642/obama-speech-hbcu-200518-hns/

いくら素晴らしい脚本家がいても、役者がいないと成り立たないわけですから、やはりオバマさんのスピーチライターも巧みな腕を持っていますが、それを説得力を持って聞かせることができるスピーチ力は凄いですね。感動しました。

アメリカの歴代の大統領は色々な名言も残しています。1930年代の大恐慌の時に、当時のルーズベルト大統領はこんな言葉で国民を勇気づけました。

「The only thing we have to fear is fear itself.」(恐れるものがあるとしたら、それは恐れ自身だ。)

丁度、今のコロナ騒動のように、人々はこれからどうなるかわからないことに対して恐怖を感じていました。大切なのは、ポジティブに考えて希望を失わないことであり、恐れというものは、この希望さえも奪ってしまうから危険である。ポジティブシンキングで、恐れと戦おうということをこの言葉により訴えたのです。

レトリックで人の心を動かすことは、いつの時代も求められるものだと私は思っています。

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